「リポソーム=なんとなく良さそう」で選ぶと、実は“非リポソーム”や低濃度を掴みがち。本稿では、含有量・粒径・包埋率・原料・パッケージ・第三者試験まで、消費者がチェックできるポイントを体系化。1分で分かるチェックリストと価格/1,000mg計算のコツで、あなたに最適な一本を選べます。


リポソーム型とは?(30秒解説)
リポソームはリン脂質の二重膜で有効成分を包む微小カプセル。ビタミンCのような水溶性成分を酸化や消化から守り、吸収の効率化や体内での保持性を狙う設計です。食品・サプリ用途ではおおむね50〜450nmのサイズ帯が目安とされます(製品差あり)。
期待できる点と限界(エビデンス)
- 吸収性の向上:標準的なビタミンCと比較し、リポソーム型はプラズマCmax+約27%、AUC+約21%、白血球内Cmax+約20%の上昇を示したランダム化二重盲検クロスオーバー試験があります(単回500mg)。
- 点滴(IV)とは別物:リポソームでもIVほどの血中濃度は到達しない点は理解して選びましょう。
- サイズ・設計依存:粒径や均一性、包埋率(EE%)、賦形やコーティングで挙動は大きく変化。製品ごとの差が大きい領域です。
※上記の詳細は本文末「参考・根拠」を参照。
まずここを見る:9つのチェックリスト
- ビタミンCの実量:「1回あたり○mgのビタミンC」の表記(アスコルビン酸として)。総内容量ではなく“ビタミンC実量”で比較。
- 粒径(nm)・PDI:メーカーがDLS等の測定値(例:平均粒径、PDI)を提示しているか。大きすぎる・バラつきが大きいと挙動が不安定。
- 包埋率(EE%):原料・製法で変動。HPLC/UPLCで定量した第三者試験レポートがあれば安心。
- リン脂質の質:ひまわりレシチン等のリン脂質源、アレルゲン(大豆)表記、有機・非遺伝子組換えの有無。
- 原料の種類:アスコルビン酸/アスコルビン酸ナトリウムなど。由来が違っても“アスコルビン酸”としては同等に扱われます。
- パッケージ:遮光・酸素バリア・エアレス(液体は個包装推奨)。透明ボトルや頻回開封は酸化リスク。
- 添加物:甘味料・香料・アルコールの有無。目的と体質に合うか。
- 価格の見方:1,000mgのビタミンCあたり単価で横比較(税込・配送料含む)。
- 情報開示:第三者機関の試験書(粒径分布、EE%、ビタミンC実量のHPLC定量)を公開しているか。
項目 | 見るポイント | 判断の目安 |
---|---|---|
ビタミンC量 | 1回あたりのビタミンC実量(mg) | 500〜1,000mg/回が一般的。体質に応じて分割可 |
粒径・PDI | DLS等の測定値の公開 | 食品用途では数十〜数百nm帯。 「平均粒径+分布(PDI)」が開示されていると信頼性UP |
包埋率(EE%) | HPLC/UPLC等の定量法・ロット検査 | 製法でばらつく。第三者試験の開示が安心材料 |
リン脂質 | レシチン由来・非遺伝子組換え・アレルゲン | 「ひまわり」表記や大豆不使用で選ぶ人も |
容器・鮮度 | 遮光・酸素遮断・個包装 | 液体は個包装推奨。開封後は早めに |
添加物 | 甘味料/香料/アルコール | 体質・用途(就寝前/空腹時)に合わせて最適化 |
単価 | 1,000mgあたり価格 | 「価格 ÷(1回のC実量×回数)」で比較 |
開示レベル | 第三者試験・製造ロット情報 | PDFやCOAを公開しているブランドは信頼度UP |
図1:選び方の「見える化」
ラベルの読み方(失敗しないコツ)
- 「ビタミンC ○○mg」=アスコルビン酸としての実量かを確認(総内容量や“コンプレックス”量とは別)。
- 「リポソーム」「リポソーマル」表記でも、実測の粒径分布・EE%が不明な製品は疑って精査。
- 原材料名に「レシチン」「リン脂質」「ひまわり」等の記載。大豆由来はアレルゲン表記に留意。
- 容器は不透明・個包装・エアレスが理想。液体は冷暗所保管が基本。
摂取量・飲み方の目安
日本の基準では、成人の推奨量は1日100mg(妊婦は+10mg、授乳婦は+45mg)。一方でサプリは500〜1,000mg/回の製品が一般的です。
- 分割摂取:一度に多量だと胃腸に負担。朝夕などに分けると実用的。
- 食事との相性:水溶性なので基本はいつでもOK。胃が弱い人は食後が無難。
- 安全域:海外公的機関の耐容上限量は成人2,000mg/日。腎結石既往やヘモクロマトーシスなどの方は医師に相談。
- 相性の良い栄養:非ヘム鉄の吸収をビタミンCが助けるため、鉄サプリのタイミング調整も一案。
※医薬的な治療目的ではありません。治療中・妊娠授乳中・持病のある方は医療者へ。
よくある質問(FAQ)
リポソーム型は普通のビタミンCより本当に良い?
単回500mg比較の臨床で、血漿・白血球への取り込みが有意に増加した報告があります。ただしIV(点滴)ほどではない点は理解して選びましょう。 粉・カプセル・液体、どれを選ぶべき?
酸化を避けたいなら個包装の液体/ジェルが有利。携帯性・匂いのなさはカプセルが◎。粉は飲み物に混ぜやすいが、“リポソーム”の実体(粒径・EE%)の開示有無を確認。 「ひまわりレシチン」はなぜ人気?
大豆アレルゲンを避けたい人が選びやすく、非遺伝子組換え原料を訴求しやすい傾向があるためです(品質はブランド・製法次第)。 ビタミンCは食品由来と合成で違いは?
生体利用能は同等とする公的資料があり、コスト面では合成アスコルビン酸が主流です。


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※本記事は一般的情報であり、個別の効果を保証するものではありません。持病・服薬中・妊娠授乳中は医療者にご相談ください。